Assisi.




今日のLa Stampaはアッシジのサン・フランチェスコ教会、
ジョットの話題でした。



アッシジ
とても思い出深い街です。






いちばん最初に訪れたのは渡伊二年目の夏でしょうか。

サン・フランチェスコ修道院に行きたくて、
朝の5時から登山開始。
真っ暗ななかひとり歩き、
たどり着いたらまだ開館には早すぎて、
あの丘からアッシジを含め、徐々に白んでゆく空を凍えながら見、
その後、修道士たちの歌声とともに門が開かれ、ようやく中に入ることができました。

ひとっこ一人いない小さな庭を抜けて歩く。
古い建物からは修道士たちの歌声が低く、いつまでも響き、
なんだかとても厳粛な気持ちになったことを覚えています。





見るべきものはなにもなく(本当に)、
その小さな庭の向こうにはすぐそばに山が迫り、
散歩道がずっと続いていました。

せっかくなので、歩き出してみましたが、
溢れる緑と朝の木漏れ日、
地面には厚く積もった枯葉が音を立て、
どんどん遠ざかる歌声。
なんだか本当に導きの小鳥がやってきそうな光景でした。







帰り道、ひとり山道を下っていると、後ろからやってきた車が止まり、
乗ってくかい?とひとりのおじいさんが。
すごく迷いましたが(一応。笑)親切そうな方だったのでご好意に甘えることにしました。

キノコ狩りの帰り、というアッシジ在住のシニョーレ。
街についてからも、アッシジの魅力について歩きながらガイドをしてくださいました。





そして一緒にサン・フランチェスコ教会に入り、
ジョットの描くフランチェスコのフレスコ画ひとつひとつ、
丁寧に説明をしてくださいました。
とにかく本当にアッシジが好きで、その魅力をたくさんの人に知ってもらいたいんだ、と。


その後、何度か手紙のやり取りをしました。
書いてあることが難しすぎてなんだかよく分からなかったのが切ないですが、
でもとても嬉しかった。







2回目は、チェーザレで働き始めて3年目の夏かなぁ。
モンタルチーノ周辺をぐるぐるしていたついでに、またあのアッシジに行ってみようと思い立ち。

すごく天気のいい日で、ゆっくり散歩を楽しめました。
坂道と階段ばかりの小さな街。






そうしてサン・フランチェスコ教会に行ってみると、
今夜教会でコンサートがあります、のお知らせポスターが。
確か8ユーロくらい。







開始が夕方だったので、教会の前のバールでワイン飲んで、
夕日がきれいだったから外に出て高いところに登ってのんびりして、
そうして時間になったので、コンサートに向かいました。


教会の中、正装したお客さんが次々に着席し、
あの開始前のわくわくする時間。

カプッチョを着た修道士たちが入場し、(フランチェスコさんの着ている茶色のローブです)
小さなオーケストラと指揮者の、こじんまりとした素敵なコンサートでした。


教会中に響き渡る音が消え、外に出てみると
幻想的な世界。
ライトアップされた回廊と、地平線の向こうが藍色に光る景色。






なんど訪れても魅力的な街です。




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