ミコノス


夏になると思い出す、場所があります。ギリシャのミコノス島です。
縁があって、二年続けてプライベートハウスの料理番として仕事をする機会を得ました。
夏の間のミコノス島は、ヨーロッパ各地から、おそらく大半の方は夜はディスコで踊って、昼間はビーチで過ごす目的のバカンスを過ごすためにたくさんの人が集まります。
若者はレンタル原付バイクをノーヘル二人乗りで騒音をたてながら走りまくる(時には三人乗りも目撃しました。)、そんなカオスな一面もありますが、
真っ青な空と海、そして真っ白な町並みの色のコントラストはまるで、絵本の世界に飛び込んだような錯覚に陥るくらい、幻想的で美しかったです。
土地は緑が少なく、岩と茶色の土の色ばかりで、多分土地の所有の境界線だろうと推測していた、積み石の線が縦横無人に続いていた風景も印象的でした。
ギリシャ料理で、特に思い出すのが、グリークサラダです。トマト、きゅうり、パプリカ、オリーブ、フェタチーズ、オレガノ、オニオンスライス等が入った、シンプルなサラダで味付けはオリーブオイルとビネガー、塩コショウのみ、夏の間ほぼ毎日この組み合わせのサラダを食べていましたが、ぜんぜん飽きなかったです。島は食材のバリエーションが少なかったけれど、毎朝開かれる港の朝市で買う、トマトとキュウリはめちゃくちゃ美味しくて、島の野生のオレガノがそこに加わるとより一層風味が増しました。
日本で湿度の多い夏を過ごしていると、無性にミコノスの夏が懐かしく思います。もう一度訪れてみたい場所です。