バッカラ

イタリア近海では、水揚げされない魚であるのに、塩漬けされて流通、遠くイタリア全土に運ばれ、
郷土料理として各地に根付いています。かつては、安価で貴重なタンパク源、イタリア人にとって、最も親しみ深い食材の一つです。
2ヶ月間、研修でお世話になった、ヴェネト州のレストラン
ラ・ペーカのある、ヴィチェンツァ辺りでは、町を代表する、郷土料理が、アンチョビと玉ねぎで煮込んだバッカラ・ アッラ・ヴィチェンツィーナと、バッカラ・マンテカートで、バッカラ愛に満ちた土地柄だったのを覚えています(ヴィチェンツァのレストランが一同に集まってバッカラ料理レシピを紹介する、立派な本が出版されていたりする)。
日本にも、棒鱈など似た食材があるのも興味深いですが、イタリアでは、和食よりも料理のバリエーションが豊かな気がします。
チェーザレでも、好んで登場する食材のひとつで、煮込み以外にも、茹でてサラダにしたり、フリットにしたり、秋は白トリュフにも合わせたりしてました。
カッチャトーリでは、今回、バッカラ・マンテカートとトマトと黒オリーブの煮込みを作りました。
厳冬にほっとする、素朴な味が魅力です。