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CaravaggioとBarolo Chinato.

先日京都シネマで上映されていたカラヴァッジョの映画を見に出掛けてみました。
とても楽しみにしていたのですが、いやー、凄かったです。
いろいろ、壮絶でした。笑

そして今、HNK出版の“千のイタリア”という本を読んでいるのですが、
そこにマラリアについての話がありまして、
カラヴァッジョもマラリアでその命を落としたこともあり、とても興味深く読ませて頂きました。


イタリアでは古代からマラリアは存在していたらしく、馴染み深いものだったようです。
マラリア、という名前も、malaria、悪い空気、を意味するイタリア語に由来しているそうです。
(かつては瘴気(悪い空気)によって引き起こされる病と考えられていた時代もあったとのことです。)
 
特別な治療法もなく、特に貧困な農民層は、命を落とさない限りマラリアにかかっても普通に仕事をするような状況で、
サルデーニャでは、

“四日目の熱は年寄りの命を奪うが、若者はそれで回復する”

というように、たとえ完治していなくても、労働ができる状態ならば、農場に向かって労働に向かうのが日常だったそうです。


そして19世紀前半に、キニーネというキナの木の樹皮に含まれる物質を、フランスがマラリアの治療薬として実用化すると、
イタリア政府もキニーネの普及に努めるようになり、
すでに干拓などの土地改良を進めて、被害が小さくなっていた北イタリアでは、
キニーネのおかげでかなり発症を抑えることができるようになったそうです。



カラヴァッジョは壮絶な死に様でしたね。笑
なにも、あんな風に捨てられなくても良かったと思うのですが…。
海草にまみれて…。

…イタリア映画。






そこで!

ピエモンテには、バローロ・キナートという食後酒がありまして、
これがまさにそのマラリア対策の名残り、キニーネを使った薬草酒なんですね。

今では嗜好品として、地元ではとても親しまれている食後酒です。

作り方は、各ワイナリー、各家庭によって少しずつ違うので、飲み比べてみるのも楽しいです。



基本的な作り方は、バローロに砂糖とアルコールを加え、
そこに、キニーナ、ラバルバロ(ダイオウ)の根、その他多数のスパイスや香草を入れて成分を抽出させたものです。

甘くて少し苦い薬草酒です。



バローロの作り手さんは趣味としてバローロ・キナートを作っているようですが、
市場に出すには面倒くさい手続きが必要らしく、エノテカで見つけられるバローロ・キナートは数社に限られています。


中でも有名なのがCappellano。
テオバルドさんという、ひょろりと背の高いおじさんが作っていたバローロ・キナートは、とてもエレガントでやさしい味わいです。
彼の大叔父さんが薬剤師で、このワインを考案したとか。
今年の初めに急逝してしまったテオバルド氏。
チェーザレにもよく食事に来てくださり、私も何度かワインを受け取りにワイナリーにお邪魔していたこともあり、親しくさせていただいていました。


いつも真っ白の飼い猫(確かマルタという名前だったと)を、えりまきのように肩に背負って、
にこにこ笑いながらゆっくりと話をしていたテオバルド氏。

今は、息子さんのアウグストさん(この方も細身で背が高い、めがねの素敵な青年です)が継がれているようです。




興味のある方はぜひ一声お掛けくださいませ♪
丁度在庫がありますので、食後にグラスでどうぞ。




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